意外と歌われてない、 ジャズの名曲のバースを紹介する配信
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やぎやに 生配信 ギグ – 2022/3/20 SUN 7PM

I Loves You, Porgy: 愛と葛藤を描くジャズバラード

「I Loves You, Porgy」は、ジョージ・ガーシュウィン作曲のオペラ『ポーギーとベス』から生まれた感動的なバラードであり、今では多くのジャズミュージシャンに愛されるジャズスタンダードとして知られています。(上の画像は1935年のオペラの初演の写真らしいです。)今回は、歌詞の和訳はもちろん、この名曲の魅力と、その背景にある深い物語について探っていきます。

I Loves You, Porgyの歌詞の日本語訳 by YANNIE

作詞 Ira Gershwin DuBose Heyward George Gershwin 作曲 George Gershwin

A
I wants to stay here but I ain’t worthy
私はここにいたいけど、自分にはその価値がない
You is too decent to understan’
あなたは優しすぎて理解できないでしょう
彼に会うと、彼がその熱い手で私をつかむと、私は催眠にかかったようになるの

B
いつか、彼が私を呼びに戻ってくるとわかってる
彼は私を扱い、私をしっかりと抱くの
それはまるで私の心の奥から死ぬような気持ちになるだろう、ポーギ
でも彼が呼ぶとき、私は行かなければならないとわかっているの

C
ポーギー、あんたを愛してる
彼に私を連れて行かせないで
私を彼に触らせたて、狂わせられないで
あんたが私を守ってくれるなら
あなたとずっと一緒にいたい
私はそれで本当に良い

オペラ『ポーギーとベス』の背景

この曲は、1935年に初演されたガーシュウィンのオペラ『ポーギーとベス』の中で歌われます。物語の舞台は、南部アメリカの貧しいアフリカ系アメリカ人のコミュニティ。このオペラは、当時の人種問題や階級差を描いた作品であり、そのリアリティと感情の深さは今も多くの人に共感を呼びます。

「I Loves You, Porgy」のオペラ版とジャズスタンダード版の違い

「I Loves You, Porgy」は、もともとオペラ『Porgy and Bess』の中で、ベスとポーギーが互いに感情をぶつけ合いながら歌う場面で演奏されます。オペラ版では、オーケストラ伴奏や複数の声部が使われ、物語全体の流れに強く依存して感情表現が行われています。特に、ベスが彼を愛しながらも他の男性との葛藤を語る部分が、対話形式で鮮明に描かれています。この対話形式が、物語の中での感情的な緊張感を強調し、曲全体を劇的なものにしています。
一方、ジャズスタンダード版では、曲は独立した作品として解釈され、アーティストの自由なアレンジが加えられることが一般的です。伴奏はピアノトリオやソロピアノ、あるいは他のシンプルな編成で演奏されることが多く、テンポやハーモニーも演奏者の解釈によって柔軟に変更されます。歌詞はオペラ版から簡略化されていることが多く、焦点はベスの愛情と彼女の葛藤に集中しています。ジャズ版では、オリジナルの対話形式が失われる代わりに、シンガー自身の感情表現やインプロビゼーションが重要視され、より個人的で内面的な感情が抽象的に表現されることが多いです。この自由なアプローチが、ジャズとしての「I Loves You, Porgy」の魅力の一つです。
下にオペラ版の動画を付けますのでぜひみてください。

「I Loves You, Porgy」の歌詞の持つ意味と解釈

「I Loves You, Porgy」は、主人公であるベスがポーギーに対する愛情と共に、その愛がもたらす安心感について歌う曲です。彼女は恐怖や困難から逃れたいという思いを持っており、この歌詞には、その深い切望と愛にすがる気持ちが込められています。歌詞の中で繰り返される「I loves you, Porgy」というフレーズは、シンプルながらも非常に心に響くもので、特にジャズシンガーにとっては、その意味をどう表現するかが演奏のカギとなります。
この曲の歌詞はシンプルですが、その中に複雑な感情が詰まっています。歌う際には、ベスの心の中で揺れ動く希望と不安、愛情と恐れをどのように伝えるかを意識することで、聴き手に深く訴えかけることができると思います。

「I Loves You, Porgy」の文法的な正しさについて

「I Loves You, Porgy」というタイトルは文法的に見ると正しくありません。標準的な英語では「I Love You, Porgy」が正しい形です。この文法的な不正確さは、キャラクターであるベスの話し方や、その社会的背景を反映していると考えられます。『Porgy and Bess』の登場人物たちは、アメリカ南部の黒人コミュニティに属しており、当時の人々が直面していた社会的・経済的な困難や教育機会の限られた状況が、その中で使われる方言や話し方に反映されています。こうした背景は、登場人物たちのリアリティを深め、彼らの生きる環境をより具体的に感じさせる要素となっています。こうした言語の使い方が、キャラクターの個性やその置かれている状況をよりリアルに描き出し、観客に感情移入させる要素となっています。
歌詞の中には他にも文法的に正しくない部分が見られます。例えば、「I wants to stay here」や「You is too decent」といったフレーズです。これらの表現は、ベスの話し方を反映しており、彼女の社会的背景や教育水準を示唆しています。これにより、キャラクターのリアリティが増し、彼女の感情や葛藤がより深く伝わります。
このように、文法的な「間違い」は意図的なものであり、曲の持つ雰囲気やキャラクターの背景を理解するうえで重要な役割を果たしています。この点を理解することで、歌詞に込められた感情や物語性をより深く感じることができるでしょう。
しかし歌うときにはほとんどの歌手が「I Love You, Porgy」と歌ってますので、歌うときには正しい文法で歌ってもいいと思います。

音楽的な特徴と演奏のポイント

ガーシュウィンの作曲スタイルは、クラシックとジャズの要素を融合させた独特なものです。この曲も例外ではなく、その繊細で感情的なメロディーラインは、演奏者に大きな自由と挑戦を与えます。特に、テンポとダイナミクスの扱い方が重要です。
「I Loves You, Porgy」は、ゆっくりとしたテンポで演奏されることが多く、フレージングや間の取り方が演奏の雰囲気を大きく左右します。ボーカリストにとって、各フレーズをどのように歌い上げるか、そしてどのように呼吸を使うかが非常に重要です。例えば、「Don’t let him take me, don’t let him handle me and drive me mad」という部分は、非常に緊迫感のある感情を表現する必要があります。ここで、声のボリュームを徐々に上げたり、微妙なビブラートを加えることで、その感情の切迫感をより強く伝えることができます。

「I Loves You, Porgy」の有名な演奏

「I Loves You, Porgy」は、数多くのジャズ・ミュージシャンによってカバーされていますが、ニーナ・シモン、 ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドのバージョンが有名でしょう。

  1. ニーナ・シモン(Nina Simone)のバージョン:
1958年にリリースされた彼女のデビューアルバム『Little Girl Blue』に収録されています。このバージョンは最も有名で、1959年にビルボードのチャートで上位にランクインしました。ニーナ・シモンの力強く感情的な歌唱が特徴的で、多くのリスナーの心に直接響く演奏です。
    特にニーナ・シモンの歌詞の解釈では、歌詞の順番やフレーズを意図的に変えることで、ベスの内面の葛藤をよりリアルに感じさせています。この柔軟なアプローチが、彼女独自のスタイルを際立たせています。
  2. ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)のバージョン:
1948年に録音されたビリー・ホリデイのバージョンは、この曲をジャズのレパートリーに導入した最初の重要な演奏の一つです。ビリーの歌唱は、オリジナルの歌詞構成に忠実でありながらも、彼女自身の深い経験を反映させた感情が込められています。
  3. エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)のバージョン:
1958年4月25日(彼女の誕生日)にローマで行われたライブ録音が特に有名です。エラ・フィッツジェラルドの歌唱は非常に感動的で、彼女の卓越した技術と感情表現が際立っています。
    エラ・フィッツジェラルドは独特のスウィング感で演奏し、より即興的な要素を取り入れています。

これらのバージョンは、それぞれのアーティストの個性が光る解釈で、多くのリスナーに愛されています。オリジナルのオペラ版とは異なる魅力を持ち、ジャズスタンダードとしての「I Loves You, Porgy」の多様性を示しています

まとめ

「I Loves You, Porgy」は、オペラとジャズという異なるジャンルを越えて、深い感情を共有できる特別な一曲です。その歌詞とメロディには、愛と葛藤が詰まっており、どんな時代にも共感を呼び続けています。ジャズを愛する皆さんも、ぜひこの曲を聴いて、歌って、演じてその感動を味わってみてください。

今日も楽しいジャズ活を〜

和訳の一覧ページはhttp://blog.theyannie.com/jazz-songs-lyrics-in-alphabetical-order/です。

ヤニは歌詞の日本語訳の専門家ではない上に日本語もうまくないです。なので、普段英語の曲の歌詞の翻訳を乗せてるほかのサイトのように詩のような表現などは書けないです。しかもジャズの歌詞は美しい表現はあるが意外と詩のようなお洒落で難しい表現は思ったより多くないです。元々は黒人の音楽で感情表現が豊かで素直な歌詞が多いと思います。

ヤニは歌詞だからわざわざ詩のようなお洒落な表現にする方が伝わりにくいと思いますのでわかりやすい翻訳をしていきたいと思います。そっちの方が演奏する際に気持ちが乗りやすいと思います。詩のようなお洒落な表現の翻訳が必要な方はほかのサイトを見て頂いたほうがいいと思います~^^