意外と歌われてない、 ジャズの名曲のバースを紹介する配信
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やぎやに 生配信 ギグ – 2022/3/20 SUN 7PM

But Not for Meの歌詞の日本語訳 by YANNIE
作曲 George Gershwin  作詞 Ira Gershwin

Verse
あんた聞いてよ
夢は叶えられるものだと言うんじゃない
言ってみろ、本当に怒るから

彼が気にしてると言うんじゃない[1]
彼とはもう確実に終わったの

陽気なポジティブ過ぎる人達が言ってる運命の人の話とか2度と聞きたくない
もう本当に信じられない[2]

Chorus 1
A
ラブソングを書いてるけど私と関係ないこと
幸運の星も私と関係ないわ

B
恋が導くままにしたら
悲劇に負けない位憂鬱なことばかり起こった

A
恋に落ちるなんてバカだった
ああ!もうだめだ

C
しかし彼とのキスの記憶は忘れられない
彼は私とは縁がないかも

Chorus2
A
新しい人生の扉を開こうとするが、私のためじゃないわ
小さい家を考えてるだろうが私と関係ない

B
恋はゲームだとみんな言ってる
ゲームのように恋に頭を悩ましてるわ
自分は被害者、加害者どっちだったんだろう[3]
本当にわけわからない

A
うまく行ってるフリをするのは最初のうちだった
スタートはよかったのに終わりは悲惨だ

C
ストーリーのクライマックスは結婚であるべき
しかし私には縁のない話だ


[1] Dear Beatrice Fairfax
「Beatrice Fairfax」は「Marie Manning」という小説家兼コラムニストによる世界初の人生相談コラムのタイトルからきた名前です。「Dear Beatrice Fairfax」は日本語で表現すると「拝啓、Beatrice Fairfax様」位ですね。「Beatrice」はあの「ダンテ」の「ベアトリーチェ」から、「Fairfax」は「Marie Manning」の故郷である「Fairfax County, Virginia」の地名からの由来です。いろんな悩み事を読者が「Beatrice Fairfax」宛に手紙で送ってきたらしいです。
つまりこの歌詞では人生相談のコラムによく出るああいう「彼もあなたのことを実は気にしてるはずですよ〜」というポジティブな内容は自分に該当しないということです。何となく文章的には怒ってます。笑 ^^;


[2] It’s all bananas
「Go bananas」という表現があって「気が狂う」という意味です。つまりこの歌詞では「おかしい」、「もう信じられない」という意味だと思ってもいいと思います。言葉の由来はいろいろあるらしいが、個人的に面白いと思ったのは猿達にバナナを与えると喜び過ぎて興奮する様子からcrazyという意味になったという由来でした。笑


[3] moth or flame
「moth」は「蛾」で「flame」は「炎」です。つまりこの歌詞では自分が「蛾だったか炎だったかわからない」という内容です。蛾は光に向かって飛んでいく習性があり、その光源が火だった場合、焼け死ぬ結果になります。ここで言いたいのは自分が恋にやられた側か引き寄せた側かわからないという意味です。なのでここでは簡単に被害者と加害者という表現でまとめてみました。

1930年の「Girl Crazy」というミュージカルの曲で、あの有名なGershwin兄弟による作品です。「Girl Crazy」はこの曲をを含め、「Embraceable You」、「I Got Rhythm」、「Boy! What Love Has Done to Me!」など、知られてるスタンダードがたくさん出てて、1943年の映画にはJudy Garlandが出演するなど映画化も2回された作品です。

「But not for me」は主に1番目のコーラスが歌われていますが、バースもあるし、コーラスは2つもあります。個人的にこの曲はバース+コーラス1+コーラス2が一つの流れになってると思いました。しかしその分歌詞が結構長くなるので覚えて歌うのは中々大変だと思いますが。。。^^;

「But not for me」は歌詞の内容によっていろんな意味で訳すことができます。「自分のためじゃない」、「自分とは縁のないこと」、「自分には該当しない」などなど、とにかく自分の状況とはかけ離れてるということを意味してます。今回も直訳はほぼ無理だったので意訳しました。なっぜかこの頃訳してる歌詞が意訳しないと伝わりにくい曲ばかりです。^^;

上手くいかない恋が多分続いたんでしょうね〜 ^^ そういう状況だとこんなに否定的になったのも無理じゃないかもしれません〜なのに曲調は明るいのがこの曲が持ってる魅力だと思います。いわゆるギャップですね〜笑

確実に怒ってる雰囲気のバースでスタートし、エンディングは自分とは縁のないことだと、もういいや〜と思う位のところまで行っちゃったんじゃないかと思います。だからこそ明るく歌っても違和感がないかもと思いました。個人的な解釈ですが、自分はそういう気持ちで歌ってるので皆さんにもいろんな想像をしながら歌ってもらいたいです。

楽しいジャズ活を〜 ^^

Photo by FreeImages.com / Alex Bruda

そして下の方に皆さんが練習する時に使えそうな伴奏を作ってのURLをつけておきました。ミュージシャンが演奏した音源で作った伴奏なのでmidiと違ってノリノリで歌えます。もちろんイントロもあるので歌の練習にバッチリです。女性と男性そしてスウィングとボサノヴァからもあります。(今回は男性はオリジナルキーを含め、Chet Bakerが歌った曲のキー(Db)もあります。)みんなジャズボーカル頑張りましょう!^^

Gキー(女性)のイントロ付きの伴奏(スウィング)

Gキー(女性)のイントロ付きの伴奏(ボサノヴァ)

オリジナルのEbキー(男性)のイントロ付きの伴奏(スウィング)

Dbキー(Chet Baker Version)のイントロ付きの伴奏(スウィング)

オリジナルのEbキー(男性)のイントロ付きの伴奏(ボサノヴァ)

和訳の一覧ページはhttp://blog.theyannie.com/jazz-songs-lyrics-in-alphabetical-order/です。

ヤニは歌詞の日本語訳の専門家ではない上に日本語もうまくないです。なので、普段英語の曲の歌詞の翻訳を乗せてるほかのサイトのように詩のような表現などは書けないです。しかもジャズの歌詞は美しい表現はあるが意外と詩のようなお洒落で難しい表現は思ったより多くないです。元々は黒人の音楽で感情表現が豊かで素直な歌詞が多いと思います。

ヤニは歌詞だからわざわざ詩のようなお洒落な表現にする方が伝わりにくいと思いますのでわかりやすい翻訳をしていきたいと思います。そっちの方が演奏する際に気持ちが乗りやすいと思います。詩のようなお洒落な表現の翻訳が必要な方はほかのサイトを見て頂いたほうがいいと思います~^^